社会福祉法人「グロー」(近江八幡市)の前理事長、北岡賢剛氏(63)から性暴力やセクハラ、パワハラを繰り返し受けたとして、元職員の女性2人が北岡氏とグローを相手取って計約4250万円の損害賠償を求めた訴訟の第4回口頭弁論が3日、東京地裁であり、原告2人が意見陳述をした。
原告2人を支援する「Dignity for All―社会福祉法人役員による性暴力・ハラスメント裁判の原告を支える会―」によると、原告の木村倫さん(仮名)は、「ハラスメントを一貫して拒否したが北岡氏は無視。周囲の男性役員たちも同席したり、見聞きしていても誰も問題視しなかった」とし、「絶対に許せないと決心した」と提訴の理由を述べた。
もう一人の原告、鈴木朝子さん(同)は、「性的欲求発散の道具にされていると思い、悔しかった。性暴力にあったときは死にたかった」などと被害を語り、「裁判ではハラスメントが抑止されなかった構造や、被害の実情を理解してほしい」と訴えた。
また、原告側は北岡氏から木村さんに送信された「ご褒美に身体がほしい」「男に抱かれながらのメールはいらない」といったメール内容30通を追加証拠として提出した。