浪速風

全世界の知恵を

「兵は拙速を尊ぶ」という。孫子の兵法からの言葉で、少々まずい作戦でも素早く行動を起こして勝利することが大切だという意味だ。ロシアがウクライナ侵攻を始めて1週間が過ぎた。事態は〝短期〟に〝勝利〟とはいかず、プーチン大統領のもくろみ通りには進んでいないようだ

▶その要因はさまざまだろうが、21世紀の戦争が様変わりしていることも影響しているのではないか。かつて湾岸戦争ではテレビゲームのような空爆シーンに衝撃を受けたが、今は個人がSNSを通じて戦場のリアルを伝えている。その一人がウクライナのゼレンスキー大統領だ

▶自ら情報発信者となり、先頭に立って兵や国民を鼓舞することで持ちこたえている。すでにこの戦いは長引くだろうという声もあるが、長引けば双方の犠牲が増えるだけだ。引くに引けないロシアをいかに引かせるか、全世界が知恵を絞らなければならない。進退窮まった敵を追い詰めてはならない、と兵法にある。

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