止まった車列、首都包囲投入か ウクライナ情勢 米国防総省高官

2月28日に撮影された、キエフの北西でのロシア軍とみられる車列の衛星画像=(C)2022 Maxar Technologies提供、ロイター
2月28日に撮影された、キエフの北西でのロシア軍とみられる車列の衛星画像=(C)2022 Maxar Technologies提供、ロイター

【ワシントン=渡辺浩生】米国防総省高官は2日、ウクライナ首都キエフ北方で確認された約60キロに及ぶロシア軍の車列について、止まった状態が続いているとし、ウクライナ軍が前進を遅らせるため車列を目標に攻撃を試みた可能性があると明らかにした。

高官は、この日の戦況説明でキエフ北方で動きを止めたロシア軍について、引き続きウクライナ側の反撃を受け、燃料と食料などの補給不足に苦しんでいるとの見方を示した。

高官はまた、長距離の車列は戦闘車両と補給・輸送用の車両で構成されており、キエフの包囲を狙って投入される可能性があるとした。ゼレンスキー政権の転覆を意図するプーチン大統領にとり、首都包囲はそのための手段との見方も示した。

露軍はキエフ市街への激しいミサイル攻撃を続け、民間インフラを含めた無差別の様相を示している。

一方、高官はウクライナ側の反撃の状況について、ゼレンスキー氏が指揮管理を保っているとし、米国やその他の国からの武器供与など軍事支援が着実に届き、組織化されていると指摘。露軍との制空権争いで、ミサイル防衛能力が機能を続けるのはその証左とし、「ウクライナの軍、市民双方が激しく戦っている」と語った。

 

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