露、キエフにミサイル攻撃継続 「500人戦死」と初公表 停戦交渉、駆け引き続く

【モスクワ=小野田雄一】ロシアによるウクライナ侵攻で2日夜(日本時間3日未明)、ウクライナの首都キエフ中心部の駅付近で爆発が起きた。キエフ中心部に向かったロシア軍のミサイルを迎撃した防空ミサイルの破片が落下したという。キエフ周辺や各地の都市でも戦闘が続いた。一方、露国防省は同日、ロシア将兵498人が死亡、1597人が負傷したと発表した。ロシアが死傷者数を発表したのは初めて。ウクライナ側の死傷者については将兵2870人以上を殺害、572人を捕虜にしたとしている。

2回目の停戦交渉は3日中にも実施される可能性があるが、双方の駆け引きが続いているとみられる。

ウクライナのメディアによると、爆発が起きた駅には多数の市民が避難していたが、死傷者は出ていないという。ホストメルなどキエフ近郊でも戦闘が続いたが、ウクライナ側が防衛線を維持している。

露国防省は民間施設や民間人は攻撃対象にしていないと主張しているが、実際には民間の被害が拡大。キエフなどへの侵攻が想定より遅れている焦りから、ロシアが無差別的な攻撃に切り替えているとの観測も出ている。ウクライナ当局は2日、侵攻開始以降、民間人2千人以上が死亡した恐れがあると発表した。

東部マリウポリにもロシア軍の攻撃が続いた。包囲を図るロシア軍の侵入を防いでいるが、水や電力など生活インフラが損傷しているという。東部ハリコフも攻撃を受けているが、ウクライナ側が戦線を維持しているもようだ。

こうした中、露国防省は2日、南部ヘルソンを掌握したと発表。ただ、ロイター通信や米CNNによると、ウクライナや米国は発表に否定的な見方を示すなど、情報が錯綜(さくそう)している。

2回目の停戦交渉をめぐっては、2日夜にもベラルーシ西部ブレスト州で行われると伝えられたが、ウクライナ側は同日夜、「同地では開催されない」と表明。これに先立ち、ロシア側は「交渉は3日になる」との見通しを示していた。開催場所などをめぐる調整が続いているとみられる。

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