首相記者会見詳報

(5)日本の防衛力を抜本的に強化

会見する岸田文雄首相=3日夜、首相官邸(矢島康弘撮影)
会見する岸田文雄首相=3日夜、首相官邸(矢島康弘撮影)

=(4)から続く

--政府の退避勧告で現地の取材ができない日本のマスコミは海外の報道に頼ることになる。報道の独立性の観点から望ましくないが

「まず報道の自由、これは大変重要なことである、テーマであると私も認識をいたします。現在、外務省がウクライナ全土に退避勧告を発出しており、報道の関係者も含め、これは目的のいかんを問わず同国への渡航をやめていただきたいというお願いをしています。報道の自由、もちろん大事ですが他の目的も含めて、渡航をおやめいただきたいというお願いをしている。これが現状であります」

「ウクライナにおいては、皆さんもよくご存じのように、いまなおこの激しい戦闘が各地で続いています。この大変な、命の危険の中にあります。こうしたこの緊迫した状況でありますので、政府のこうした取り組みについても、ぜひご理解と、そしてご協力をお願いしたいというのが政府からの、この問題に対する政府の考え方ということです。ぜひご理解をいただきたいと思います」

--ロシアの軍事侵攻や制裁措置で穀物価格の上昇も懸念されている。穀物を含めた幅広い対策を検討する考えはあるか

「おっしゃるように原油だけではなくして、幅広い物価高騰に備えなければいけない。国民生活や事業や経済を守らなければいけない。これはご指摘の通りだと思います。穀物についても、ロシアやあるいはウクライナ、これは穀物の大産出国でありますので、穀物市場全体に対する影響ということを考えますと、間違いなく日本にも影響が来るということなのだと思います。などなど、このさまざまなこの原材料について、特に輸入に依存するものについては、さまざまな対策を考えていかなければいけない」

「ものによってさまざまですが、調達先の多様化ですとか、さまざまな取り組みが求められると思います。こうした状況を丁寧に把握することを努め、影響が出ないように政府として考えていかなければなりません。ぜひ各担当大臣にそれぞれの分野で今もその指摘されたような価格高騰において、どんな影響が想定され得るのか、それについてどんな対応が考えられるのか、それを検討するように指示をしたいと思います」

--日本の対露制裁は欧米に比べると半歩遅い。国際決済ネットワークの国際銀行間通信協会(SWIFT)の最初の声明では日本が入っていなかった。アジアの国際秩序を守ることを考えると日本が主導すべきではないか

「まず遅いのではないかという指摘は当たらないと思っています。SWIFTについても先に大西洋諸国という枠組みで、これ声明が発出されたということであり、日本は日本にも参加をお願いしたいという要望を受けてその日のうちに対応しているわけですので、これ日本が半歩遅れているということは今言った経緯から考えても指摘は当たらないと思っています」

「そして日本が主導すべきではないか。あの、基本的にはG7(先進7カ国)や国際社会との連携、ともにこの非難の声を形にする、これが重要だとは思いますが、おっしゃるように各国とも対応はですね、よく見ていくと、みんなそれぞれさまざまであります。各国の国益ですとか事情に応じていろいろな違いを見て取ることができます。是非日本もこのアジアにおける日本のこの立場としてどうあるべきなのか制裁措置の細部においてはですね、日本もしっかりと考えていかなければいけない。主導しなければいけない部分はあるんだと思っています。そういった姿勢で臨んでいきたいと思います。以上です」

--ロシアのウクライナ侵攻を受けてドイツは防衛予算を国内総生産(GDP)比で2%に増額することを表明した。日本の防衛予算や国家安全保障戦略の見直しにどのような影響を与えるか

「はい。まず今回のロシアのウクライナ侵略のような力による現状変更をインド太平洋、とりわけアジア、東アジアにおいて許してはならないということを改めて強く感じています。わが国を取り巻く安全保障環境、これは急速に厳しさを増しているとも感じています。今回のウクライナ侵略も踏まえて、新たな国家安全保障戦略などを策定するということになるわけですが、その中で日本の国民の命や暮らしを守るために具体的に何が求められるのか、これをしっかりと議論しなければなりません」

「そして結果としてこの防衛力、これ抜本的に強化していく、こうしたことを考えていかなければならないと思っています。ぜひこういった姿勢で国家安全保障戦略をはじめとする安全保障に関するこの文書の、この新たな策定についてしっかりと議論を深め、体制を整えていきたいと考えています」

=(6)に続く


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