主張

ロシアの排除 スポーツ界の良識示した

ウクライナへ侵攻したロシアと、攻撃を支援したベラルーシに対し、スポーツ界では両国を国際舞台から排除する動きが広がっている。

侵攻を看過することは、平和や自由・公正のもとに成り立つスポーツの存在意義を、自ら否定することに等しい。

スポーツ界の良識ある対応を全面的に支持したい。

国際オリンピック委員会(IOC)は両国の選手、役員を国際大会から除外するよう、各国際競技連盟(IF)などに勧告した。

4日開幕の北京冬季パラリンピックを控えた国際パラリンピック委員会(IPC)も、足並みをそろえるべきだ。

ワールドカップ(W杯)カタール大会の予選が進む欧州サッカー界では、ポーランドなどがロシアとの対戦拒否を表明し、それに押される形で国際サッカー連盟(FIFA)などがロシア代表の排除を決めた。

「選手に罪はない」という意見もあるが、現実をわきまえぬ空論だ。2014年ソチ五輪などで行われた国家ぐるみのドーピングが示すように、ロシアのスポーツ界は政権の強い影響下にある。ロシア勢への締め付けは、プーチン大統領に国際社会の厳しい視線を認識させる契機になろう。

国際柔道連盟(IJF)が、プーチン氏の名誉会長とアンバサダー(大使)の資格を停止したのも当然だ。柔道八段のプーチン氏は、創始者の嘉納治五郎が掲げた「自他共栄」をどう考えているのか。柔道精神にもとる他国への侵略は、柔道家として最も恥ずべき行為ではないのか。

IOCはプーチン氏に贈った功労章を、テコンドーの国際統括団体は名誉九段黒帯の剝奪を発表した。IJFの段位とは別に、総本山の講道館もプーチン氏に六段と紅白帯を贈っている。柔道の母国として取り上げるのが筋だ。

日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は、IOCの措置に賛意を示した。同じ柔道家として、山下氏はプーチン氏との親交が深い。強い言葉でプーチン氏の非を鳴らし、日本の立ち位置を明確に示し続けてほしい。

スポーツの強い影響力を生かすためにも、全ての競技団体の結束が欠かせない。何よりも、ロシアの選手たちがプーチン政権に批判の声を上げるべきだろう。権利を主張するのは、その後だ。

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