ロンドンの甃

寂しきウォッカ

ウクライナ侵攻に抗議する市民の姿は、ロシアの隣国フィンランドでも目立っている。出張で滞在中の首都ヘルシンキではレストランや路面電車の中で、プーチン露大統領に対する批判が飛び交っている。その中でも積極的に非難の声をあげているのが、ロシア生まれの住民だ。

多様な民族が住むフィンランドではロシアをルーツとする住民も多い。全人口の約1・5%がロシア語を母国語とする。

ヘルシンキで会ったロシア人女性(44)は「私たちがまずプーチンを非難しなければ。ロシアの地で生まれた私たちの責任だ」とまくしたてた。彼女のリュックには、ロシア語でプーチン氏をこき下ろす文言が記載された横断幕が入っていた。休日にロシア大使館の前で掲げるという。

少し複雑な心境を打ち明けるロシア人男性もいた。フィンランドの飲料企業は最近、ウクライナ侵攻に対する措置としてロシア産ウオッカの販売を停止したらしい。男性は「プーチンは間違っているけれど、大好きな酒が飲めないとなると寂しい」と苦笑いした。

男性は侵攻が起きてからロシア人と認識されることを避けるために、日常生活でロシア語を使わなくなったそうだ。罪のないロシア人が異国で肩身の狭い思いをしないことを願う。(板東和正)

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