1998年の金融危機で、自国の通貨ルーブルを信用できなくなったロシアの人たちは物々交換に頼った。取引の50~70%に及んだ、と米国の研究者が推計している。物々交換のネットワーク形成は、厳しい状況の中で連帯感が強まった結果とも考えられるという(カビール・セガール『貨幣の「新」世界史』)
▶今回、欧米と日本が連携してロシアを世界の金融システムから締め出したことで、ルーブルの価値が暴落し物価は急上昇した。ロシア中央銀行は大幅な金利引き上げで押さえ込もうとしているが、太刀打ちできないとみられている。ロシアの人々は生活防衛のため、また連帯を強めるだろう
▶その怒りや不満が大きくなり、抗議の声が高まっていけば戦争を終わらせる力になり得る。ロシア国内ではすでに反戦デモが起きていると報じられている。制裁に続いて必要なのは、連帯と抗議を支援しガイドする、日本を含む各国からの正しい情報だ。