「では教えてくれ。大統領は誰だ」「ロナルド・レーガンだよ」「レーガンだって。じゃあ、副大統領は(喜劇俳優の)ジェリー・ルイスか」
▼30年後のカリフォルニアの町から高校生がタイムスリップしてきたなんて、科学者はとても信じられない。まして西部劇の俳優が大統領になっているなんて。1985年に公開された映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の一場面である。
▼政治学者の村田晃嗣さんによると、2期目に入ったレーガン大統領は怒るどころか、大いに気に入っていた。翌年の一般教書演説で、この映画を取り上げて述べている。「われわれの行き先に道が敷かれている必要はない」(『レーガン』)