国際刑事裁判所(ICC)のカーン主任検察官は28日、ロシアによる侵攻を含む近年のウクライナ情勢を巡り、戦争犯罪と人道に対する罪の疑いで近く捜査を開始する方針だと明らかにした。
2013~14年のウクライナ首都キエフでの親ロシア政権によるデモ弾圧、ウクライナ東部や14年にロシアが強制編入した南部クリミア半島での犯罪も捜査対象となる。
カーン氏は声明で「戦争犯罪と人道に対する罪がウクライナで行われたと信じるに足る合理的な根拠がある」と述べた。
ウクライナとロシアはいずれもICCに加わっていないが、ウクライナは戦争犯罪と人道に対する罪についての捜査権限をICCに与えていた。
最近のウクライナ情勢を巡っては、バチェレ国連人権高等弁務官がロシアの行動を「明確に国際法違反だ」と厳しく批判。国連人権理事会は3月3日に緊急討議を開く。(共同)