ウクライナがロシア軍による侵攻に必死の抵抗を続けている。その戦いぶりは想定以上で、北大西洋条約機構(NATO)との連携で軍が戦闘能力を向上させた成果といわれる。市民も自ら立ち上がり、祖国防衛にあたる。だが、露軍側は物量ではるかにウクライナ側をしのぐだけに、いつまで露軍の動きをとどめられるのか、今後の展開は楽観できない。(ポーランド南部ジェシュフ 佐藤貴生、ワシントン 渡辺浩生)
橋の上で起きた激しい銃撃戦。民間の車に乗り上げて踏みつぶす露軍の車両。インターネット上には欧米メディアや住民が首都キエフなどで撮影した多数の動画が投稿されている。
ただ、露軍の優位を示す動画ばかりではない。北東部の第2の都市ハリコフでは、投降して明け渡された露軍車両の一群をウクライナの兵士が検索する映像もある。ウクライナ側は2月28日、侵攻開始以降の露軍の被害は兵士5千人以上、戦車約200両、戦闘機約30機に上るなどと主張した。