文在寅氏が日本に「歴史直視を」と要求 任期最後の「三・一」演説

1日、「三・一独立運動」を記念するソウルの政府式典に出席する韓国の文在寅大統領(中央)(聯合=共同)
1日、「三・一独立運動」を記念するソウルの政府式典に出席する韓国の文在寅大統領(中央)(聯合=共同)

【ソウル=桜井紀雄】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1日、日本統治時代の1919年に起きた「三・一独立運動」を記念するソウルでの政府式典で演説した。文氏は日本に対し、先進国としてリーダーシップを持つためには「歴史を直視し、歴史の前で謙虚でなければならない」と主張。新型コロナウイルス禍など世界的な課題に共に対応するため、「常に対話の扉を開いておく」と呼び掛けた。

文氏は今月9日の大統領選を経て5月に退任予定で、今回、記念日の演説を通じた最後の対日メッセージの色合いが濃い。だが、日韓関係を極度に悪化させたいわゆる徴用工訴訟問題などの解決に向けた具体的提案はなく、日本に一方的に〝反省〟を求めた形だ。

文氏は「韓日両国の協力は未来世代のための現世代の責務だ」とし、「近しい隣人である韓国と日本は、一時不幸だった歴史を踏みしめ、未来に向かって協力できなければならない」と語った。一方で、「隣国の国民の傷について共感できるとき、日本は信頼される国になる」と主張した。

文氏は音楽や映画、ドラマなど世界的な韓国文化の隆盛を誇示。金大中(キム・デジュン)大統領時代に日本文化を開放し、「むしろ日本文化を圧倒するほど競争力を持つに至った」と強調した。

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