ロシアによるウクライナ侵攻を機に、日本でも非軍事手段としてサイバー攻撃による攪乱(かくらん)への懸念が高まっている。ウクライナでは年明けから政府機関などへの攻撃が目立ち、国内でもトヨタ自動車が取引先の被害で国内全工場の稼働中止に追い込まれた。陸上自衛隊は月内に「サイバー防衛隊(仮称)」を新編してシステム防護に当たるが、態勢整備は他国より遅れている。公共インフラや防衛産業の保護にも課題が多い。
陸自は1日、米豪など6カ国が参加するサイバー防衛技術を競う競技会を初めて主催した。
「サイバー空間をめぐる情勢は純然たる平時でも有事でもない様相を呈し、重大な事態へと急速に発展するリスクを大いにはらんでいる」。競技会の冒頭、陸自指揮通信システム・情報部長の足立吉樹陸将補はこうあいさつした。