和歌山県、IR住民説明会開始 疑問・懸念の声も

和歌山県が海南市で開催したIR事業の住民説明会
和歌山県が海南市で開催したIR事業の住民説明会

和歌山県が和歌山市内の人工島「和歌山マリーナシティ」に誘致を進めているカジノを含む統合型リゾート施設(IR)で、県は2月28日夜、和歌山市に隣接する海南市から事業内容の住民説明会をスタートした。渋滞対策やギャンブル依存症対策などの説明に対し、出席者からは疑問や懸念の声が聞かれた。県は6日までに説明会を計14回開催する予定。

県は2027(令和9)年秋ごろの開業を目指し、今年2月に区域整備計画案を公表している。

海南市の複合施設「海南nobinos」で開催された説明会には、事前に申し込むなどした約70人が参加。県の担当者が、カナダのクレアベスト・グループを事業者とし、米カジノ大手が運営に加わるカジノ施設のほか、約1万2千人収容の国際会議場、計約2500室の宿泊施設を備えるなどとした計画案について説明した。

質疑応答では、IRが開業した場合、周辺で発生が懸念される渋滞の対策や既存の宿泊施設への影響、ギャンブル依存症対策などについて住民側から質問が相次いだ。

県の担当者は、周辺の道路整備や専門家と連携した依存症対策などで対処する方針を説明し、計画案への理解を求めた。

また、計画案では開業2年目から県や一部立地自治体の和歌山市に入ると想定している入場料年約50億円や納付金年約260億円に関連し、「(IR開業で)迷惑を被るのに、IRからの納付金は海南市には入らず、市は何もできない」などの不満も出た。

説明会に出席した市内の中野昌臣さん(75)は終了後、「(IRの)経済効果などへの理解は深まった」とする一方、「県がしっかり関与し続ける体制を取ってもらいたい」と訴えた。

黒江船尾地区連合自治会の副会長、鈴木新吾さん(63)は「渋滞問題など地域の懸念を払拭できるような話はなかった」とし、「カジノに頼らない地域振興策を考えるべきだ」と要望した。

説明会は、和歌山市以外では1日も6会場で開催。和歌山市内では2~6日に7会場で予定している。

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