群馬県内の令和3年特殊詐欺、キャッシュカード詐欺盗が急増

前橋市大手町の群馬県警本部
前橋市大手町の群馬県警本部

群馬県内で令和3年に発生した特殊詐欺事件の被害額が、約4億560万円に上ったことが、群馬県警のまとめ(暫定値)で分かった。発生件数は前年より32件増えて217件となり、被害総額は約880万円増加する結果になった。中でも、「キャッシュカード詐欺盗」が前年より30件増の105件、被害額は約1億4280万円にのぼり、他の手口と比べ被害が増加傾向にある。

キャッシュカード詐欺盗の手口は、警察官や銀行協会などの職員を装って被害者に電話をかけ、「キャッシュカード(銀行口座)が不正に利用されているから確認に行く」「預金を保護する手続きをする」など、嘘の手続きを説明。このうえで、キャッシュカードを準備させ、家に来た犯人が「手続きを行うので、この封筒にキャッシュカードと暗証番号を書いたメモを入れて」と、封筒に入れさせるといったものだ。平成30年ごろから発生した。

この際、「封筒に割印が必要なので印鑑を持ってきて」などと誘導。被害者が目を離したすきに、あらかじめ用意していた偽のカードが入った封筒と本物のカードが入った封筒をすり替えるといった手法を用いる。巧妙なのは、「手続き完了の連絡がくるまで封筒を開かず保管して」と伝えることで、キャッシュカードのすり替えに気づくことができず、その間に口座から現金が引き出されてしまうことだ。

県警特殊詐欺抑止対策室は「金融機関で現金を引き出したり振り込んだりするのと違い、時間的余裕がないので、他の人が止められる機会が少ない。また、現金をそのまま渡すのと違い、安易に渡してしまうのかもしれない」と分析。警察官などの職員が暗証番号を聞いたり、キャッシュカードを封筒に入れさせることは絶対にないと注意を呼びかけている。

その他の手口としては、親族や警察官を装って金銭などをだまし取る「オレオレ詐欺」が63件(前年比21件増)で、被害額では約1億7940万円と最高額だった。「預貯金詐欺」が21件(同25件減)、「架空料金請求詐欺」が19件(同1件増)、「還付金詐欺」は前年は確認されなかったが令和3年は6件、「融資保証金詐欺」は前年と同数の3件だった。

年齢別にみると、65歳以上の被害が196人と約9割を占め、男女別では162人が女性となっている。地域別では、前橋、高崎、太田市の被害が多い。県警では、「交通の便が良く、人ごみに隠れられるような都市部での被害が多い」とみている。

対策としては、自宅の固定電話を留守番電話に設定しておく▽慌てて電話に出ない▽知らない電話番号からの電話に出ないこと-の3点に尽きるという。防犯機能付き電話機など、警告・自動録音機能を備えた機器の利用も有効だ。

犯人が恐怖心をあおったり、困らせようとすると、高齢者は気を付けていても信じてしまう。県警は「まずは認識してもらうことが必要」と話している。

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