第37回「正論大賞」贈呈式 平川氏「靖国の誤解解きたい」

正論大賞を受賞し、フジサンケイグループの日枝久代表(左)からブロンズ彫刻を贈呈される平川祐弘氏。右は依子夫人=2月28日午後4時37分、東京都千代田区(飯田英男撮影)
正論大賞を受賞し、フジサンケイグループの日枝久代表(左)からブロンズ彫刻を贈呈される平川祐弘氏。右は依子夫人=2月28日午後4時37分、東京都千代田区(飯田英男撮影)

第37回「正論大賞」(フジサンケイグループ主催)の贈呈式が28日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで行われた。大賞を受賞した東京大学名誉教授の平川祐弘氏(90)に、日枝久フジサンケイグループ代表からブロンズ彫刻「飛翔(ひしょう)」(御正=みしょう=進氏制作)と賞金が贈られた。

また北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさん(57)=拉致当時(13)=の両親で、正論大賞特別賞を受賞した横田滋さん(故人)、早紀江さん(86)夫妻には、宮内正喜フジ・メディア・ホールディングス会長からブロンズ彫刻「あゆみ」(小堤=おづつみ=良一氏制作)が賞金とともに贈られた。

正論大賞特別賞を受賞し、あいさつする横田早紀江さん(左)。めぐみさんの弟、拓也さん(中央)と哲也さん(右)も出席した=28日午後、東京都千代田区(飯田英男撮影)
正論大賞特別賞を受賞し、あいさつする横田早紀江さん(左)。めぐみさんの弟、拓也さん(中央)と哲也さん(右)も出席した=28日午後、東京都千代田区(飯田英男撮影)

平川氏は「私の学問の特色である、外国と日本との双方を複眼で見比べて事の是非を縦横に論じるアプローチを認めていただいた。この受賞を励みに今後は、靖国神社に対する誤解も解いていきたい」とあいさつ。横田早紀江さんは「支えてくださった皆さまと一緒にこの賞を受けられ、うれしい。世界が平和になっていくことを心から願います」と述べた。

贈呈式には安倍晋三元首相も駆けつけ、「日本の歴史や文化への深い知識を背景に、傷つけられた日本の名誉のために戦っていただいた」と平川氏をたたえた。横田早紀江さんには「困難な中で正しい判断を下してこられたことに敬意を表したいが、慙愧(ざんき)に堪えない思いもある」と語りかけた。

贈呈式は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、出席者を約25人に絞って開催。今回は初めて、オンラインで動画中継も行われた。産経新聞の飯塚浩彦社長は平川氏を「日々の論考で私たちが情報社会の中で見失いがちな視点を提示している」とたたえ、横田さん夫妻に対し、「産経新聞の連載『めぐみへの手紙』では両親の思いをつづり、多くの共感を生んだ」と感謝の言葉を述べた。

平川氏は日本を代表する比較文化史家として、英語やフランス語、イタリア語に通じ、複眼的な視点で神道や皇室をはじめとする日本の素晴らしさを各国語で海外にも発信、今の日本のあり方を問うてきたことが評価された。横田さん夫妻は、めぐみさんをはじめ北朝鮮による拉致被害者を救出する活動を通し、日本の国家のあり方を問い続けたことが、特別賞にふさわしいとされた。

第26回正論大賞を受賞した櫻井よしこさんが、平川氏に「これまで多大なご指導をいただいた」、横田さんに「戦後の壁を打ち破るべく、私たちを励ましてくださっている」と謝意を述べた。

明治神宮国際神道文化研究所の今泉宜子(よしこ)主任研究員が「比較研究者として、世界の中の日本を見据えてこられた。先生の学恩に感謝したい」と恩師、平川氏の受賞をたたえた。拉致被害者救出に努めてきた支援団体「救う会」の西岡力会長は「『悪と戦うべきだ』ということを教えてくださった」と、横田さん夫妻に感謝の言葉を述べた。

岸田文雄首相、松野博一官房長官兼拉致問題担当相らからも祝電が寄せられた。

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