モスクワ「平時」も市民は口々に反戦 不安も吐露

ウクライナへの侵攻後、初の日曜日を迎えたロシア・モスクワ中心部のゴーリキー公園。侵攻以前と変わらない平和な光景が見られた=27日(小野田雄一撮影)
ウクライナへの侵攻後、初の日曜日を迎えたロシア・モスクワ中心部のゴーリキー公園。侵攻以前と変わらない平和な光景が見られた=27日(小野田雄一撮影)

【モスクワ=小野田雄一】ロシアの首都モスクワは27日、ウクライナへの侵攻後、初めての日曜日を迎えた。市内には子供を連れた家族や手をつないで歩くカップルらの姿が多く見られ、「平時」そのもの。ただ、話を聞いた約10人の市民が「戦争には反対」と口をそろえ、侵攻に批判的な感情を持つ国民が多いことをうかがわせた。対露制裁で生活が悪化することへの不安も聞かれた。

モスクワ市民の憩いの場となっている中心部のゴーリキー公園。子供を連れた夫婦や笑い合う若いカップル、犬を連れた高齢者らが次々と訪れ、侵攻以前と何も変わらない光景が広がる。カフェやレストランでも多くの人が家族や友人と談笑しながら食事しており、他国を侵略中の国の様子とはとても思えない。

だが、市民は当然、戦争を意識していた。「ウクライナ人の子供が泣き、死んでいる。どんな理由でも戦争は支持できない」。30代女性のアリサさんはそばに立つ幼い娘に目をやり、顔を曇らせた。

6歳の長男と図書館を訪れた40代男性、サーシャさんは「世界中の誰もが平穏な生活を願っているはずだ。今回はそれが壊された。恐ろしいことだし、悲劇だ」と話した。「経済制裁で生活や物価が今後、どうなるか分からない。不安だらけだ」とも述べた。

幼い男児を連れた30代の女性は、プーチン大統領によるウクライナ東部の親露派2地域の「独立」承認について「テレビはロシア国民を守るためだと言っていた。承認は正しいと思う」とした上で、「それが戦争の理由になるとは思わなかった。もう何が真実か分からない」と話した。

国営テレビは現在、侵攻の正当性を強調するプロパガンダ(政治宣伝)一色に染まっている。露政府も国内メディアに公式発表以外を報道しないよう圧力をかけ、反戦デモも弾圧。27日時点で侵攻に関する露世論調査は存在しないが、インターネットで容易に情報が得られる現在、プロパガンダの効果は限定的だ。ただ、プーチン政権を揺さぶるまでに反戦運動が広がる気配も現時点では、ない。

買い物中の高齢女性、イリーナさんは訴えた。「世界中からロシアが非難されているけれど、戦争をすると知っていたら国民の多くはプーチンに投票していなかったはずよ。そのことを日本に伝えて」

 

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