【パリ=三井美奈】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は27日、ウクライナから国外に脱出した難民は36万8000人に上ったと発表した。かつてソ連圏にあった東欧のポーランドやハンガリーは、ウクライナ難民支援で欧州連合(EU)の先頭に立っている。
ポーランドのモラウィエツキ首相は27日、「国民の連帯感に感動している。難民20万人がポーランドで宿舎を得た」とツイッターで発信。ハンガリーにも27日までにウクライナから6万人以上が入国し、政府は難民申請を受け付けている。
東欧諸国は2015年、シリア内戦時の難民流入では受け入れには否定的だった。ポーランドは昨年、ベラルーシが国境に送り込んだ中東移民を鉄条網で退けた。だが、ウクライナ侵攻は、旧ソ連による民主主義弾圧の歴史と重なり、東欧各国で難民支援の輪が広がっている。EUは27日の司法内務理事会で、ウクライナ難民受け入れで連携する方針を確認した。