【ソウル=桜井紀雄】韓国軍合同参謀本部は27日、北朝鮮が発射した飛翔(ひしょう)体について、弾道ミサイル1発との推定を示した上で、同日午前7時52分ごろ(日本時間同)、平壌の順安(スナン)付近から日本海に向けて発射されたと発表した。日米韓当局が飛距離や種類の分析を進めている。
北朝鮮によるミサイルの発射は、1月30日に中距離弾道ミサイル「火星12」を日本海に向けて発射して以来で、今年に入って8回目。順安には国際空港があり、北朝鮮は1月17日にもこの地域から短距離弾道ミサイル2発を発射した。
北朝鮮は、ロシアがウクライナに侵攻し、バイデン米政権など国際社会が対応に追われる状況に乗じてミサイルを発射することで、バイデン政権に圧力をかける狙いがありそうだ。あえてこのタイミングで発射し、バイデン政権の出方を探る思惑もうかがえる。
北朝鮮はまた、北京冬季五輪が開催されていた4~20日には、軍事的挑発を一切行わなかった。後ろ盾である中国を刺激することを避けたとみられる。