AIが卒アル写真選別する機能開発 ITベンチャー

写真販売システムを運営するITベンチャー「エグゼック」(東京)は、学校の卒業アルバム制作時に、人工知能(AI)が運動会などシーン別にお薦め写真を選んでくれる機能を追加したサービスを4月に提供する。業界初の機能で、運動会の写真ならばリレーや玉入れといった種目別にシーンを選択し、生徒の登場回数をある程度均等に配分できるようになるという。

全国の街の写真館が保有する運動会や修学旅行といった学校行事の写真をAIに分析・学習させることで、従来は難しかったシーン別の写真選別が可能になった。山中淑史(ひでふみ)経営企画部長は「運動会のシーンでは特定の種目の写真に偏らないようAIが自動でバランスよく写真を選別するので、アルバム制作の負担がかなり削減できる」と話す。

すべての児童や生徒たちをバランスよく掲載することが求められる卒業アルバムだが、近年は新型コロナウイルス禍で生徒のマスク姿の写真が多く、登場回数を平等に選別するのが困難になっている。同社のAI機能を搭載したアルバム制作サービスを活用すれば、マスク姿の生徒の写真も個人を特定して選別できる精度を確保。アルバムに登場する生徒の均等配分を確認しやすくした。

アルバム制作に携わる教職員や保護者の負担を大きく削減させると口コミで広がり、同サービスは昨年度は約100の写真館を通じて約300校で利用された。今年度は約300の写真館、約700校に増える見通しだ。

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