ロシアがウクライナへの軍事侵攻を続けるなか、その危険性をかねて警告してきた日本在住のウクライナ人国際政治学者、グレンコ・アンドリー氏(34)が産経新聞のインタビューに応じた。グレンコ氏は、プーチン露大統領の狙いはウクライナの制圧と傀儡(かいらい)政権の樹立にあると断じ、「都市部での地上戦が本格化して数万人、数十万人の犠牲者が出る前に、国際社会はロシアを国際経済から切り離すなど、最大限の制裁でロシアを食い止めなくてはならない」と訴えた。
「都市の制圧も」
グレンコ氏は、2014年にクリミア半島を併合するなど、ウクライナの支配を目指したプーチン氏の試みは「ことごとく失敗してきた」と指摘。昨年末以降は、「ウクライナ国境周辺に軍事力を配備し、戦争の危険性をバイデン米大統領に突きつけてウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟などをあきらめさせる思惑だった」が、その試みも不調に終わったことから、「唯一残った直接的な手段として、軍事的占領を選んだ」と分析した。