「ロシアは核保有国」「攻撃を加えれば不幸な結果に」プーチン大統領の演説要旨

ロシアのプーチン大統領が24日に行った演説の要旨は次の通り。

私は21日の演説で、最大の懸念と心配、無責任な西側諸国がロシアに対して生み出してきた本質的な脅威について話した。北大西洋条約機構(NATO)は、軍備をロシア国境に近づけている。

過去30年間、われわれはNATOとの間で辛抱強く合意を試みてきたが、NATOは拡大し続けた。われわれの利益と合法的な要求に対する侮辱的で軽蔑的な態度をどう説明するのか。

答えは明瞭だ。1980年代後半、ソ連は弱体化し崩壊した。自信を失ったのはほんの一瞬だったが、世界の力の均衡を崩すには十分だった。その結果、古い条約や合意は有効ではなくなった。覇権国家の権力者に都合の悪いものは非難され、有用だと見なすものは強制される。

これはロシアだけでなく、国際関係のシステム全体や米国の同盟国にも関係する。イラクや、シリアやリビアなど、米国が法と秩序をもたらした世界の多くの地域では、国際テロ、過激主義が生まれた。しかし米国は依然として偉大な国で、多くの国が彼らのルールを受け入れている。

われわれは2021年12月、NATO不拡大と欧州の安全保障の原則に関し、米国と同盟国と合意ができないかもう一度試みたが、米国は態度を変えなかった。

1940~41年初頭、ソ連は戦争を防ごうとしたが、手遅れだった。41年6月のナチス・ドイツの侵攻に対抗する準備ができていなかった。敵を打ち負かしたが、多大な犠牲も被った。この失敗を再び犯すことは許されない。

ソ連が解体され能力の大部分を失った後も、ロシアは核保有国の一つだ。最新鋭兵器もある。われわれに攻撃を加えれば不幸な結果となるのは明らかだ。同時に、防衛技術は急速に変化しており、周辺に軍事力が存在する限り許容できない脅威であり続ける。

これ以上のNATOの拡大やウクライナ国内に軍事拠点を構える試みは受け入れられない。NATOは米国の道具だ。問題は「われわれの歴史的な土地」で反ロシア感情が生まれていることだ。国外からコントロールされ、NATOの軍隊を呼び込み、最新鋭の兵器を得ようとしている。これはロシアの封じ込め政策で、存在と主権に対する脅威だ。レッドラインで、彼らはこれを越えた。

2014年にウクライナでクーデターで権力を得た勢力は、お飾りの選挙で力を保持し、平和解決の道を放棄した。われわれは平和的に解決する手段を探ってきたが水泡に帰した。ロシアに希望を持つ100万人へのジェノサイド(集団殺害)を止めなければならない。ドンバスの人民共和国の独立を認めたのは、人々の望みや苦痛が理由だ。

NATOの主要国はウクライナの極右勢力とネオナチを支援し、クリミアの人々がロシアに再統合する選択を許さないだろう。彼らはドンバスと同様にクリミアでも戦争を起こし、ヒトラーの共犯者同様、市民を殺害する。ロシアと自国民を守るにはこの手段しかない。ドンバスの共和国はロシアに助けを求めており、迅速な行動が必要だ。

私は、特別な軍事作戦を行うこととした。目的は、キエフの政権に8年間虐げられてきた市民の保護だ。ウクライナの非軍事化に努める。領土の占領は計画していない。(共同)

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