毎年1月、世界の主要IT企業が米ラスベガスに集結する世界最大級の家電・IT見本市「CES」。今年は2年ぶりに対面イベントとしたが、新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るい、出展を見送る企業が相次いだ。そうした中で、日本企業のトップが会場の話題をさらった。ソニーグループの吉田憲一郎会長兼社長だ。
技術革新起こす気概
「電気自動車(EV)の市場投入を本格的に検討していく」。吉田氏はCESでこう表明。スポーツ用多目的車(SUV)タイプの新型EV試作車も披露し、今春に新会社「ソニーモビリティ」を設立することも明らかにした。事実上のEV参入表明に、会場には拍手がわき起こった。
吉田氏のCES行きは、感染リスクを避けるため、社内に慎重論もあった。だが、最後は吉田氏が押し切り、参加を決断した。吉田氏のEVに懸ける思いの強さを物語る。そのことはCESで行ったスピーチからも伝わってくる。