<独自>義務違反企業には罰金 IT規制法案全容判明

総務省=東京都千代田区
総務省=東京都千代田区

総務省が今通常国会に提出する電気通信事業法改正案の全容が22日、判明した。無料通信アプリ「LINE(ライン)」の利用者情報が中国の関連会社から閲覧可能になっていた問題を受けて、利用者数1千万人以上の国内外のIT大手に「利用者情報統括管理者」の選任を義務付け、違反した場合は200万円以下の罰金を科すことが柱となる。

サイバー攻撃や通信障害の頻発を受けて、攻撃発生前に通信事業者間の連携を促すことや障害が発生する恐れがある場合にも総務省に届け出ることなども盛り込んだ。

利用者数1千万人以上の国内外の大手IT企業に対しては、統括管理者の選任のほか、利用者情報の漏洩(ろうえい)対策などを定めた情報取り扱い規定の策定、利用者情報の利用目的などを示した情報取り扱い方針の公表、情報取り扱い状況の事業者による自己評価を義務付ける。規定の内容に問題がある場合に総務相による変更命令権限も盛り込んだ。検討していた総務相が統括管理者の解任を事業者に命令できる権限は、経済界の反対で見送った。

一方、閲覧履歴などが利用者に無断で第三者に提供されていることへの懸念が高まっていることを受け、ネットニュースサイトなども含むより多くの事業者を対象に、利用者への履歴利用の通知・公表を義務付ける。ただ、第三者への提供を利用者から同意取得した場合や、利用者の申し出による提供の拒否を可能にする措置を講じている場合は義務付けの例外とした。

改正案には、社会のデジタル化の進展を受けて光回線などの高速通信サービスを過疎地も含む全国に提供するユニバーサルサービスとするため、通信事業者から負担金を徴収する制度も盛り込む。

総務省は改正法の施行を公布から1年以内と明記したが、規制の対象企業や利用者情報の範囲、通知・公表を義務付ける閲覧履歴の内容など省令で定める部分は山積しており、今後も調整は曲折が予想される。

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