国鉄時代、北海道から九州まで、寝台列車を除く特急列車の車両の色分けは、クリーム地に窓部分が赤色と統一されていた。昭和33年、東京-大阪・神戸間を結ぶビジネス特急「こだま」用に登場した国鉄初の特急型電車「20系」(後に151系)で初めて採用された「国鉄特急色」はそれ以降、ディーゼル特急でも使用された。
この塗装を施された車両の前面には逆三角形の特急マークが誇らしげに掲げられ、側面には国鉄の英語表記「JAPANESE NATIONAL RAILWAYS」の略称をかたどった「JNR」のプレート。これらは特急列車のシンボルといえ、その姿からは風格が感じられた。
これら「国鉄色」は車種ごとに決められていた。特急用の寝台客車は青色が採用され、「ブルートレイン」の愛称につながった。オレンジと緑の電車の「湘南色」など、どれも車両のデザインにぴったりといった感じで、利用客から親しまれていた。