北川信行の蹴球ノート

受講生からガンバ大阪社員へ、ビジネス講座で夢かなえる

ガンバ大阪が開講したGBAの企画で、試合開催時のイベントに携わる田中さん(ガンバ大阪提供)
ガンバ大阪が開講したGBAの企画で、試合開催時のイベントに携わる田中さん(ガンバ大阪提供)

憧れのJリーグクラブが開催したスポーツビジネス講座の受講生から、そのクラブに就職する。そんな「夢」をかなえた人物がいる。サッカーJ1のガンバ大阪が昨年から開講している「ガンバ大阪サッカービジネスアカデミー(GBA)」の1期生で、今年2月にガンバ大阪の社員となった田中有沙さん(33)。ファンクラブ担当としてファンやサポーターと身近に接する仕事に就いた田中さんが産経新聞の取材に応じ、「(GBAは)スポーツが好きな人やスポーツビジネスに興味のある人にとって、楽しい学びの場になるかなと思う。行動することが大きな一歩になると思うので、積極的に参加していただければ」と後輩たちにエールを送った。

GBAはJリーグ創設時から参入した10クラブ「オリジナル10」の一つであるガンバ大阪が培ってきたクラブ経営や試合運営の豊富なノウハウと、Jリーグ屈指の設備を誇る本拠地、パナソニックスタジアム吹田(大阪府吹田市)を活用し、スポーツ界の将来を担うビジネス人材を育成する目的で創設。Jリーグクラブの中でもユニークな取り組みで、昨年10月にクラブ創設30年を迎えたガンバ大阪の記念プロジェクトの一環として昨年に初めて開講した。ガンバ大阪の小野忠史社長や、OBの元日本代表FWでJリーグ特任理事の播戸竜二氏らクラブ内外の多彩な講師陣がそれぞれの得意分野で座学を行うとともに、スタジアムで実際にプロサッカーの現場を体験するフィールドワークを交え、スポーツビジネスを学べるのが特色だ。

さらに講座の集大成として、グループワークで「スタジアム集客企画」や「パートナーおよび地域共創によるSDGs(持続可能な開発目標)企画」のアイデアを出し合ってプレゼンテーションを行い、グループごとに試合会場などで企画を実施する。昨年のGBAで、リアルタイムの音声プラットフォーム「CHEERPHONE(チアホン)」を活用し、試合をより楽しめるサービスを提供する企画を他の受講生とともに実施した田中さんは「自分がどうやってガンバ大阪を好きになったのかを考えながら企画した。クラブの皆さんとも話し、アイデアをブラッシュアップしていき、利用していただいたファンやサポーターの喜んでいる顔を見れたときはうれしかった」と振り返る。

そもそも、大阪市内の調査会社に勤めていた田中さんがガンバ大阪のファンになったのは3年前。まだ新型コロナウイルス禍が始まる前で、知人に連れてこられたパナソニックスタジアム吹田で試合を観戦し、応援のすごさに感動したのだという。そこから、チームや選手の情報を教えてもらうことで次第にのめりこむようになり、毎週、ガンバ大阪の試合を見に行くようになった。「試合観戦を楽しみにすることで、仕事も頑張れた部分がある。選手やチームを応援することが、自分自身の活力にもなるというスポーツの力に魅力を感じ、いつかはスポーツビジネスに携われればと思っていた」と田中さん。ただ、知識や経験はなく、当時は「どういう(ビジネスの)流れなのか、イメージできていなかった」といい、将来的にガンバ大阪で働くことになるとは、予想もしていなかった。

GBAに応募したのは、①好きなガンバ大阪で学べる②企画実施までできる-が理由。GBAを通じて「ファンやサポーターに喜んでもらえることにうれしさを感じ、もっと関わりたいと思うようになって入社を希望した」と振り返る。

「(講座の中で)たくさんの質問が飛び交い、それぞれの視点でのディスカッションも勉強になる。仕事が終わってからの講義だったが、皆さんの取り組む姿勢も刺激を受けるところがあった。1期生はOB、OG会も発足していて、ガンバ大阪への企画提案も続けている。そういった意味で、いろんな方とのつながりもできる」とGBAの魅力を語った田中さんは「(ガンバ大阪の社員として)もっとファン、サポーターの声を聞きながら、企画に落とし込めたら。ガンバ大阪、パナソニックスタジアム吹田に来て、元気をもらって、自分も頑張れる、活力になるような仕事ができたらいいなと思う」と抱負を語った。

2期目となる今季のGBAは受講生を募集中で、4月7日に開講。10月下旬から11月上旬に修了式を予定している。GBA受講でガンバ大阪の一員となった田中さんは「2期生がどんな企画をするのか、楽しみにしている」と話している。問い合わせは、ガンバ大阪サッカービジネスアカデミー事務局(メールアドレス=gamba_sba@splx.co.jp)へ。

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