酒の蔵探訪

福源酒造(長野県池田町) 日本酒ビンテージに挑む

シンプルな装飾の看板シリーズ(福源酒造提供)
シンプルな装飾の看板シリーズ(福源酒造提供)

約20年前、隣接する安曇野市でリンゴが余って困る事態になったときは、まだ周囲に手掛ける醸造所もほとんどなく、仏ノルマンディー地方からシードル(リンゴ酒)の技術者を呼び寄せた。日本の甘いリンゴは適さないなど道のりは険しかったが、当初の目的通り、余ったリンゴをドライな本格派に仕上げた。今でも採れすぎたときだけ造る方針で、冷蔵熟成した状態のものが購入できる。

昨年末には、池田町の特産品であるハーブを、アルコール20%の熟成蔵出し日本酒に漬けてオリジナルカクテルを作るキットを特典にクラウドファンディングも実施。〝遊び心の実験室〟と、うたっているが、これもクラフトジンやハーブワインなど洋酒の発想に近い。食が欧米化する中で、福源酒造の歩みは、日本酒が目指すべき王道なのかもしれない。(原田成樹)

福源酒造】 長野県池田町池田2100。電話は0261・62・2210。宝暦8(1758)年創業。大量生産でなく、こだわりの酒だけを造るスタイルを貫く。アイガモ農法、減農薬農法の促進にも取り組む。通販サイトは、fukugenshuzo.com

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