米、対中依存脱却へ投資 レアアース国内生産に

バイデン米大統領(ホワイトハウス提供・ロイター=共同)
バイデン米大統領(ホワイトハウス提供・ロイター=共同)

【ワシントン=塩原永久】バイデン米大統領は22日、レアアース(希土類)など重要鉱物の国内生産を後押しするための投資計画を発表した。中国に調達を依存する戦略物資のサプライチェーン(供給網)を見直し、経済安全保障面のリスクを下げる狙いだ。供給網を強靱(きょうじん)化する大統領令から約1年たち、対策の進展をアピールしている。

北米唯一のレアアース鉱山を米西部カリフォルニア州で運営するMPマテリアルズに対し、国防総省の支援プログラムから3500万ドル(約40億円)を投資。同州のマウンテンパス鉱山で採掘から分離・精製まで自前でできるようにする。

MPマテリアルズは、さらに7億ドルを2024年までに投資する計画を表明。米国内でモーターの磁石などに用いられるレアアースを、自社生産できる態勢の整備を急ぐ。350人以上の雇用を創出するという。

米国はレアアース調達の8割近くを中国に頼っており、対立国の制裁に揺さぶられる懸念がある。そのためバイデン大統領が21年2月、重要鉱物や半導体などの戦略物資をめぐる供給網の強靱化を、政府一体となって進める大統領令に署名していた。

またエネルギー省は、鉱物廃棄物からレアアースなどを回収する実証プロジェクトに乗り出す。さらに同省は、蓄電池のリサイクルや、リチウムやコバルトといった鉱物資源の精製技術を高め、国内供給力の向上につなげる計画だ。

バイデン政権はレアアースや半導体などの供給網強化に向け、日本とオーストラリア、インドを加えた4カ国の枠組み「クアッド」や、先進7カ国(G7)などを通じた対策にも注力する方針だ。

ただ、一部の重要物資は中国以外で採掘が難しく、対中依存の脱却を目指す施策には限界があるとみられている。また、最終的に製品を作るまでの全工程を米国や同盟国だけで確保するには、多額の投資を必要とするため容易ではなく、課題も多い。

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