障害者が動物に囲まれ働く 茨城・牛久に就労支援事業所オープンへ

シンビオーシス牛久を開設するペット医学機構の加藤明久社長。後ろは併設されたドッグラン=牛久市猪子町
シンビオーシス牛久を開設するペット医学機構の加藤明久社長。後ろは併設されたドッグラン=牛久市猪子町

心身の病や障害を癒やす「アニマルセラピー(動物介在療法)」を取り入れた障害者就労支援の事業所が来月1日、牛久市に誕生する。経営母体が動物病院も運営していることから、作業内容にドッグランの受け付け業務や保護猫の世話などを盛り込んだ。障害者が動物に囲まれて働くことで、「共生効果」が得られることが期待されている。

オープンするのは、就労継続支援の事業所「シンビオーシス牛久」。一般企業への就職が難しい障害者に働く機会を提供する福祉サービスで、今回の事業所は、年齢や体力面などで雇用契約を結んで働くことが困難な障害者らが、軽作業などの就労訓練を行う「B型事業所」となる。

事業所の特徴は、経営母体の有限会社「ペット医学機構」(同市)が動物病院も運営していることだ。院長でもある加藤明久社長(61)は「長い間、牛久で動物と関わってきたので、動物を通じて地域に貢献すべきと考えた」と話す。

事業所で障害者が行う作業は、動物病院や事業所に併設されたカフェで使う野菜の水耕栽培や、生花を保存加工する「プリザーブドフラワー」作り、カフェでの接客や調理など。それらに加えて、ペットと関わる仕事も盛り込まれた。動物病院にあるドッグランの受け付け業務や保護猫の世話、ペットの里親探しの協力などだ。

アニマルセラピーは動物とのふれ合いにより、ストレス解消や認知症、鬱病などの症状改善が期待され、学校や養護施設、病院などでも取り入れられている。スタッフの一人は、介護や障害者福祉の経験から「動物の癒し効果は高い。全くしゃべらなかったり入浴を嫌がっていたりした人が、笑顔を取り戻し、協力的になるケースが何度もあった」と話す。

加藤さんは「動物の殺処分数は年々減っているが、高齢社会の進行でペットを飼い続けることが困難になるケースもある」と指摘。「そうした課題の解消策の一つにもしたい。障害がある人の中には、動物ぎらいや動物アレルギーのある人もいるだろうが、動物とふれ合う仕事も選択肢に入れてほしい」と話す。

事業所で受け入れを見込む障害者は30人。事業所は、愛玩動物飼養管理士や動物介護士など、ペット関連の資格取得や開業も全面的にサポートする考えだ。

問い合わせはシンビオーシス牛久029・874・2344(祝日を除く月~金、午前10~午後5時)。「シンビオーシス」は、英語で「共生」を意味する。(篠崎理)

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