ロッテの若手によるレギュラー争いが熾烈(しれつ)だ。チーム内で正位置が確約されている選手は少なく、誰にでもチャンスがある。春季キャンプでは、昨季の盗塁王の和田康士朗外野手が打力向上に努め、高卒4年目の山口航輝外野手は本職ではない一塁の守備練習に積極的に取り組む姿がみられた。チームは13日に沖縄県の石垣島での1次キャンプを打ち上げ、15日からは練習試合がスタート。生き残りをかけた戦いが幕を開けた。
盗塁王の和田、「豪快スイング」に原点回帰
荻野、マーティンに次ぐ外野手のレギュラーを狙うのが5年目、23歳の和田。昨季の先発出場はわずか2試合だったが、主に代走で起用され、24盗塁をマークして盗塁王に輝いた。今季は先発を勝ち取るため、打撃の強化をテーマに掲げる。
ソフトバンクの柳田のような豪快なスイングが持ち味だったが、昨季は出塁率にこだわり「当てにいくことを考えてしまった時期があった」と反省。昨秋から変化球に対応するため、間の取り方を変え「自分のスイングをした方が当たるというのが分かったので、吹っ切れて臨めている。逆方向にも打てるようになった」とパワーのある打撃が戻ってきた。
外野には4年目の藤原、5年目の菅野らライバルが多い。「(自分が)打たないと試合には出られない。周りのことは気にせずに、今は自分の打撃に集中したい」。定評のある走塁技術や守備範囲の広さに加え、打力がつけば、レギュラー取りに大きく近づく。
〝球界の俳人〟山口、本塁打量産へ
高卒4年目の山口は長打力が魅力。外野手登録だが昨季からは一塁にも挑戦し、開幕先発をつかみ取った。クライマックスシリーズ(CS)では本塁打を放つなど、プロへの大きな第一歩を踏み出し「いい経験になった」と振り返る。好不調の波が大きく、昨季の試合出場は78試合にとどまった。「苦しんだ1年だった。悔しい思いをした分、必死にやりたい」と今季への決意を口にする。