エビやカニなど約150種類を飼育している和歌山県すさみ町立エビとカニの水族館が、毒を持ち絶対に食べてはいけないスベスベマンジュウガニの「総選挙」を始めた。約50匹を飼育しているが、担当の飼育員、本多正樹さん(22)が6匹を選抜し、「食べたらダメということを知ってもらうきっかけになれば」と企画。それぞれユニークな名前をつけて人気投票を受け付けている。
スベスベマンジュウガニは体長約5センチの小さなカニで、名前の通りスベスベした外側とマンジュウのような形が特徴。国内では太平洋側に生息し、水族館の周辺でもとれるが、毒を持っており、食べれば死ぬ可能性もあるという。愛らしい名前と外観からは想像もつかない恐ろしいカニだ。
総選挙に「立候補」した6匹は、本多さんが、発色がきれいで、大きく、動きが活発な個体を選んだ。名前は「スベスベ」や「カニ」、「毒」にかけており、「栖辺間(すべま)すべお」(雄)、「須部沢(すべさわ)すべみ」(雌)、「十我弐崎須部五郎(じゅうがにざき・すべごろう)」(雄)、「スベルージュ・ガ・スベーマ」(雌)、「毒嶋須部子(ぶすじま・すべこ)」(雌)、「加二岡須部重蔵(かにおか・すべじゅうぞう)」(雄)と命名した。
6匹を展示している水族館のスペースでは、カニが小さいこともあり、それぞれ写真つきのプレートを置いて紹介している。来館しなくてもホームページにプレートや6匹の解説がある。
投票は、公式オンラインショップで6匹それぞれで異なる缶バッジ・マグネットセット(300円)を1セット購入すれば1票となる。受け付けは3月21日まで。投票結果は会員制交流サイト(SNS)のツイッターなどで公表する。
本多さんは「ぱっと見た目は同じだけど、目つきや甲羅の模様が違う。多くの人に投票してほしい」と呼びかけている。