台湾の食品輸入解禁 歓迎の千葉・熊谷知事「規制撤廃働きかける」

千葉県の熊谷俊人知事(小野晋史撮影)
千葉県の熊谷俊人知事(小野晋史撮影)

台湾当局が21日、東京電力福島第1原発事故を機に停止していた5県産食品の輸入を条件つきで11年ぶりに再開したことを受け、千葉県は今後、新規需要の掘り起こしなどによる輸出拡大に本腰を入れる。一方、必要とされる放射性物質の検査などは鮮度の維持にとって不利で、熊谷俊人知事は同日、「引き続き規制が撤廃されるよう国に働きかける」とコメントした。

台湾への輸出が再開されたのは、既に認められていた酒類を含む、ほぼ全ての県産食品。熊谷知事は「大変喜ばしく、生産者や流通事業者と連携し、輸出拡大に取り組んでいく」などと歓迎。県はサツマイモや梨などを中心に販路拡大をねらう。

一方、国や県などによると、酒類をのぞく県産食品の輸出には県が発行する産地証明書や、国内の指定検査機関が発行する放射性物質検査報告書の添付が必要とされる。

さらに台湾側でも水際検査を行い、1キロ当たり10~100ベクレルという微量の放射性物質が検出された場合、業者に対して廃棄や積戻しなどの行政指導を行うとしている。

指定検査機関による放射性物質の検査には、費用のほかに5日程度の時間もかかり、農水産物の鮮度に影響しかねない。そこで県は、規制撤廃への働きかけと並行する形で、サツマイモや梨以外で条件に見合った品目の売り込みにも力を入れる方針だ。(小野晋史)

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