古代ギリシャのオリンピックにちなみ、世界に休戦を呼び掛ける国連の五輪休戦決議は北京冬季五輪でも採択された。中国と決議を共同提案したロシアは「平和の祭典」の陰でウクライナの首を絞め、中国は歩調を合わせた。北京での祝祭の陰で、約6500キロ離れたウクライナを「最大19万人以上」(米政府)の露軍が包囲している明暗は、中露の偽善を物語っている。
プーチン露大統領は4日の開会式に際し、中国の習近平国家主席との会談で、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟に反対することへの支持を取り付けた。両首脳による長文の共同声明にはこうある。
「民主主義や人権の擁護を口実に、民主主義的価値を侵し、主権国家の内政に干渉することに反対する。文化や文明の多様性、各国民の自己決定権を尊重するよう国際社会に求める」