「面白い話題」から学習へ展開 国語学ゼミで新聞記事活用 米沢女子短大・高橋永行教授

教材に取り上げた新聞記事について語り合う高橋永行教授のゼミ生ら=山形県立米沢女子短大 (高橋永行教授提供)
教材に取り上げた新聞記事について語り合う高橋永行教授のゼミ生ら=山形県立米沢女子短大 (高橋永行教授提供)

山形県立米沢女子短大の高橋永行教授(62)は、新聞記事を教材とした国語学ゼミを10年以上にわたり開講している。理由について、「新聞は生活に関連する記事をタイムリーに掲載しており、『面白い話題』から学習を展開できる。分量的にも手ごろだ」と説明する。

今年度の2年生13人は、日本のポップカルチャー(大衆向け文化)に関する、言葉▽音声▽方言▽外国人の日本語学習-の4本の記事からグループごとに報告書にまとめた。

高橋永行教授(提供写真)
高橋永行教授(提供写真)

あるグループは、人気歌手、瑛人(えいと)さんのヒット曲「香水」の歌詞やメロディーの特徴を記号論に詳しい識者が分析した記事から、日本語の音を区切る単位とリズムの関係や音楽に与える影響に着目した。

歌詞の「LINE(ライン)に含まれる二重母音の『イ』と撥音(はつおん)の『ン』には独立した音符が当てられているのに対し、『ドルチェアンドガッバーナ』に含まれる促音の『ッ』と長母音の『ー』では先行する自立モーラ(音を区切る単位)と合わせて一つの音符が当てられている」と指摘。ヒットの理由について、「日常で使う言葉を独特のリズムに乗せたことでたくさんの人の耳に残ったからでは」とした。

さらに、音声と言葉について調べ、令和2年2月17日の産経新聞「地方の声優志望者 レジェンドも応援」を取り上げた。記事は、声優志望者がスマートフォンでプロの指導を受けられるサービスの発起人で声優、野村道子さんを取材した。学生は地方の声優志望者による「標準語」の習得に注目。「アクセントといった音声自体の課題は、夢を追い続けるかどうかという選択に非常に重く関わる原因」と考察した。

ゼミ生の菊池さらいさん(20)は「新聞をたくさん読んで社会のことを知るきっかけとなった」、深瀬美羽さん(同)は「普段使う言葉に向き合えてよかった」、佐藤玲夏(れな)さん(同)は「新聞を読むたびに理解が深まると感じた」と振り返った。

高橋教授は「新聞記事は何度も校正され情報が確実なうえに、写真や図表などをいつでも見返せる。見出し、リード、本文に分かれているので内容の共通理解がしやすい。理解力を育むツールとしても使える」と評価した。

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