「国が展示施設を」 ジオパークに押され姿消した竹島展示

2階に隠岐自然館が入居する隠岐諸島のPR施設「隠岐ジオゲートウェイ」=島根県隠岐の島町
2階に隠岐自然館が入居する隠岐諸島のPR施設「隠岐ジオゲートウェイ」=島根県隠岐の島町

わが国固有の領土にもかかわらず、韓国による不法占拠が続いている竹島(島根県隠岐の島町)でのアシカ猟にまつわる貴重な資料の紛失が判明した。資料が展示されていた「隠岐自然館」(同町)は、昨年オープンした「隠岐ジオゲートウェイ」内に移設されたが、新施設は隠岐ユネスコ世界ジオパークの拠点施設のため、「紛争地」である竹島関連の資料は展示ができないといい、旧自然館にあった貴重な資料は〝お蔵入り〟状態に。人口約1万3700人の町で、領土問題に関わる貴重な資料を保存、活用するには限界があり、国主導の体制整備は急務だ。

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旧自然館は平成7年、同町の玄関口・西郷港の町有観光施設「隠岐ポートプラザ」2階に町が開設。隠岐に生息する自然を幅広く紹介した施設で、竹島の模型やアシカの剝製など、竹島問題の啓発展示も行われていた。

移転後の隠岐自然館
移転後の隠岐自然館

隠岐諸島は2013年9月、国際的に貴重な地形や地質を自然公園として認定するユネスコの「世界ジオパーク」に日本6地域目として認定された。町は約14億円をかけてPR施設「隠岐ジオゲートウェイ」を整備。旧自然館はここへの移転に伴い、令和2年秋に閉館されている。

町などによると、旧館で展示されていた竹島のアシカの皮やかばんなどは、旧館内にそのまま放置されていた。だが資料紛失に関する取材などを受け、今月17日に役場に移され、町の竹島対策室が保管を始めた。

竹島での漁猟の拠点だった同町の久見地区には平成28年、町が竹島に関する証言や資料収集を目的とした「久見竹島歴史館」を開設。だが、同館は資料収集が目的で、展示されているのは竹島に関する年表のパネルや地図の複製など20点程度だ。アシカの皮など、貴重な現物資料の展示は、町内ではゼロという状態になっている。

町などは国に対し、町内に竹島問題啓発施設を設置するよう要望しており、町として展示施設を作る計画はないという。同町竹島対策室は「結果的に不本意な形となっているかもしれない。今後の課題として検討したい」としている。


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