ワリエワ、失意の終幕 坂本「見るのがつらかった」 ドーピング問題渦中

薬物騒動の中、フィギュア女子フリーに臨んだROCのカミラ・ワリエワ。転倒や着氷の乱れを連発して涙を流した=17日、首都体育館(彦野公太朗撮影)
薬物騒動の中、フィギュア女子フリーに臨んだROCのカミラ・ワリエワ。転倒や着氷の乱れを連発して涙を流した=17日、首都体育館(彦野公太朗撮影)

17日に行われた北京五輪フィギュアスケート女子フリーで、ドーピング騒動の渦中にいるカミラ・ワリエワ(15)=ロシア・オリンピック委員会(ROC)=は、ジャンプの着氷が何度も乱れ、本来の力が出せないまま、表彰台を逃した。大会の「顔」は無言のまま会場を去ったが、18日午後には国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が五輪の開幕後では初めて記者会見。この問題への反応に注目が集まるのは必至で、騒動はまだ尾を引きそうだ。

ワリエワのフリーは最終滑走の25番目でスタート。冒頭の4回転サルコーは持ちこたえたが、2回目以降のジャンプは着氷が何度も乱れた。演技はやり抜いたが、本来の姿とはほど遠い滑りとなった。演技後はROC関係者が「カミーラ」と大合唱したが、本人は落ち着かない様子でリンクを降り、4位になったことを知ると、顔を覆って涙をぬぐった。取材エリアでも報道陣の取材に応じず、失意の表情で足早に立ち去った。

ワリエワ余波はほかの選手にも及んだ。メダリストの記者会見ではワリエワに関する質問が同じROC勢に飛んだ。金メダルのアンナ・シェルバコワ(17)=ROC=は「あの中で最後まで滑りきったのは大変だったと思う」と仲間を思いやった。演技を見ていなかったという銀メダルのアレクサンドラ・トルソワ(17)=ROC=は「コメントはない。私ではなく、彼女に聞いてください」と言及しなかった。銅メダルの坂本花織(かおり=21)=シスメックス=は「正直見るのがつらかった」と話した。

ただ、まさかの失速で18日夜にメダル授与式が行われることになった。ワリエワが3位以内に入った場合は五輪期間中には実施しないと決定していた。坂本は「(日本が3位だった)団体のメダルをもらえていない。すぐにもらえて正直うれしい」と率直な思いを語った。トルソワも「メダルを持って帰れるのはもちろんうれしい」と話した。

各国には同情と衝撃が広がった。ロシア通信は、ワリエワが欧米で高まる反ロシア感情の被害者になったとの政治家の発言を報道。英国の金メダリスト、ロビン・カズンズさんは英BBC放送で「リンクに立たせるべきではなかった」と語り、出場を認めたスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定を批判した。

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