維新、風評対策決議と改憲で自民支持層にアピール

日本維新の会・遠藤敬国対委員長
日本維新の会・遠藤敬国対委員長

日本維新の会が国益を重視する保守層へのアピールを強めている。5人の元首相による東京電力福島第1原発事故に絡む誤った情報発信は問題だとして、風評被害対策の強化を政府に求める国会決議を提起。衆院憲法審査会では改憲論議を積極的に進めるべきだと訴える。夏の参院選に向け、保守色が薄いとされる岸田文雄政権に満足できない自民党支持層を振り向かせる狙いもありそうだ。

維新の遠藤敬国対委員長は16日、自民や立憲民主党の国対委員長と面会し、決議の重要性を説いた。立民の菅直人氏ら元首相5人は「原発事故の影響で多くの子供が甲状腺がんに苦しんでいる」との見解を示したが、政府側は事実ではないと抗議している。遠藤氏は記者団に「国難といわれる原発事故に対し、立法府と政府が思いを共有しなければならない。適当にはぐらかせてよい問題ではない」と強調した。

また、与野党が緊急時の国会機能維持を目的とした「オンライン国会審議」に前向きな見解を示した17日の衆院憲法審では、改憲論議を封じるべきではないと主張した。オンライン審議の導入に改憲は不要との見方もある中、足立康史氏は「オンライン審議を奇貨として(改憲が必要な)緊急事態条項に関する議論を封じるようなトーンの意見がある」と牽制(けんせい)した。

維新幹部は「対中国人権侵害非難決議は(中国との関係が深い)公明党の添削によって重みのない内容になった。岸田政権の優柔不断さが国益を毀損(きそん)しているという認識もある」と政府与党を批判。「自民のふがいなさに納得がいかない保守層は少なくない。揺らぎ始めた岩盤支持票を奪えるか否かも維新の浮沈に影響する」とも語った。(内藤慎二)

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