【北京=三塚聖平】中国自動車工業協会が18日発表した1月の新車販売台数は、前年同期比0・9%増の253万1千台だった。前年実績を上回るのは昨年4月以来9カ月ぶり。世界的な半導体不足の影響が若干緩和されたことや、地方政府の消費刺激策で小幅回復を果たしたと同協会は分析。ただ、国内各地での新型コロナウイルスの散発的な流行懸念もあり、本格回復はまだ先とみられる。
内訳では、乗用車は6・7%増の218万6千台で、中国市場で人気のスポーツ用多目的車(SUV)などが牽引(けんいん)した。商用車は25・0%減の34万4千台と振るわなかった。電気自動車(EV)などの「新エネルギー車」は約2・4倍の43万1千台で、中国政府による普及促進を背景に高い伸びが続いている。
同協会は市場の先行きに関する懸念点について、半導体不足の問題がまだ完全に解消されていないことや、国内各地での感染拡大を挙げた。中国では、わずかな感染拡大も許さないゼロコロナ政策の下で、ひとたび感染者が確認されれば厳しい移動制限措置がとられるため、サプライチェーン(供給網)や消費に大きな影響が出ている。
日系大手4社の1月の中国新車販売は、トヨタ自動車など全社がマイナスだった。トヨタは、オミクロン株の感染者が確認された天津市にある合弁工場が1月に稼働を停止したことが響き、2カ月ぶりに前年実績を割り込んでいる。