コロナ「間接死因」2割超、大阪 第6波死者分析

大阪府の新型コロナウイルス対策本部会議に出席する吉村洋文知事(左)ら=18日午後、大阪市中央区(須谷友郁撮影)
大阪府の新型コロナウイルス対策本部会議に出席する吉村洋文知事(左)ら=18日午後、大阪市中央区(須谷友郁撮影)

大阪府は18日の新型コロナウイルス対策本部会議で、感染「第6波」の期間に確認された死者の分析結果を報告した。昨年12月17日から今月17日までの発表死者数は445人に上り、昨年6~12月の第5波(358人)を超過。死者の93%が70代以上で、基礎疾患がある人は全体の72%に上った。専門家はオミクロン株について、高齢者にとって特にリスクが高いと警鐘を鳴らしている。

今月17日までの府内の累計死者数は3509人に上り、全国最多。厚生労働省などの集計では、第6波での人口10万人当たりの死者数は大阪がトップの5・04人となり、全国平均の1・86人を大幅に上回る。

一方、第6波の感染者の死亡率をみると、大阪は全国平均(0・11%)並みの0・13%。母数の感染者数が急増し、昨年3~6月の第4波(2・8%)や、第5波(0・4%)と比べても低くなっている。

厚労省は自治体に対し、コロナ患者が入院中や宿泊・自宅療養中に死亡した際に「厳密な死因を問わず、全数を公表する」よう通知している。このため、基礎疾患や老衰などコロナ以外が直接の死因であっても感染していれば公表対象となる。

府は第6波の死者445人について、医師の診断に基づき、直接死因がコロナではない場合でもコロナの影響があれば「間接死因」とし、影響がなければ「コロナ以外で死亡」とした。

報告によると、445人のうち、コロナが直接死因となったのは61%の271人。残りの174人の中でコロナが間接死因とされたのは108人、コロナ以外での死亡は66人だった。

70代以上ではコロナが間接死因となった死者が2割を超え、感染が基礎疾患の重篤化などの引き金になった可能性がある。445人のうち70代以上は93%、60代も含めると97%。推定感染経路を分析すると、高齢者施設・医療機関関連が約4割を占めた。

府専門家会議座長の朝野(ともの)和典・大阪健康安全基盤研究所理事長は、オミクロン株が急拡大した第6波で高齢者の死亡率が高いとし、「高齢者にとって(の死亡リスク)はインフルエンザ並みとはいえない。高齢者施設への医療介入が最も重要だ」と強調する。

吉村洋文知事は18日の会議後、「陽性になった当日に亡くなる高齢者もいる。高齢者にできるだけ感染を伝播(でんぱ)させないようにすべきだ」と危機感を示した。


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