渡部暁「個人より何倍もうれしい」 複合ニッポン28年ぶり表彰台

男子団体、後半距離で力走する第3走者の渡部暁斗(左)=張家口(共同)
男子団体、後半距離で力走する第3走者の渡部暁斗(左)=張家口(共同)

28年ぶりとなる悲願のメダルにようやく手が届いた。18日のノルディックスキー複合男子団体で、日本は金メダルを獲得した1994年リレハンメル五輪以来のメダルとなる3位。個人ラージヒルでも銅メダルを勝ち取った渡部暁は、「(チームでのメダルは)個人より何倍もうれしさがある。この瞬間をみんなで共有できてすごくうれしい」と喜びをかみしめた。

前半の飛躍は4位にとどまったが、1位のオーストリアから12秒差でスタートした後半の距離で、強豪に引けをとらなかった。1番手の渡部善が先頭集団に加わり、2番手の永井も粘った。3番手の渡部暁が一時トップに立つと、アンカーの山本が激しい競り合いの末、オーストリアを退けて3位に食い込んだ。

弱点の走力強化を進めてきた効果が出た。4年間で練習強度の配分を見直し、昨季の冬季シーズンでは隔離が必要となる帰国を避け、海外に長期滞在。最多の選手では年間約600時間を距離の練習に充てた。「以前は500時間にいく選手がなかなかいなかった」と河野ヘッドコーチ。前半の飛躍で作った貯金で粘りこむ従来の形だけでなく、後半の距離でも戦えるところを見せつけた。

長い間、日本の定位置は4位だった。ドイツ、ノルウェー、オーストリアが五輪は2大会連続、世界選手権は3大会連続で表彰台を独占。3強の壁を突き破ることができなかった。メンバー4人のうち団体でのメダルを知るのは、2009年世界選手権で金メダルに輝いた渡部暁だけだった。

そのエース頼みといわれたチームが脱皮した。24歳の山本は持ち味の飛躍だけでなく、距離でも地力を発揮。ノーマルヒル「金」のガイガー(ドイツ)に最後のスプリント勝負で劣らず、わずか0・3秒差まで迫った。「チームの未来に、本当にいいメダル。僕がいなくても大丈夫かな」と成長を喜び、渡部暁は笑った。

「複合ニッポン」復活へ、確かなのろしが上がった。(小川寛太)

>複合男子団体3位 28年ぶりメダル獲得

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