幼稚園、保育園などで給食を提供する栄養士や調理担当職員らが腕前を競う大会「給食の鉄人2021」(主催・給食の鉄人実行委員会、後援・東京都)が開催された。栄養や味はもちろん、「食育」にも配慮しながらの〝熱戦〟が繰り広げられた。
乳幼児に給食を提供する全国の施設や事業者から191件の応募があり、レシピが1次審査を通過した5園が1月30日、東京都渋谷区の服部栄養専門学校で決勝戦に臨んだ。
新型コロナウイルス対応で調理は審査会場と別室で行い、モニターを通じた映像と音声でその様子が届けられた。
今回は、食材としてタラ、カレイなどの魚が指定された。材料の下処理後、各チーム50分の制限時間内に調理から盛り付けまでを行い、審査員が判定した。
特別審査員の服部幸應服部栄養専門学校理事長・校長、本紙に「奥薗さんちの今日もおいしくいただきまぁ~す」を連載している家庭料理研究家、奥薗壽子さんら、この日参加した5人の審査員が厳しい表情でモニターを見つめる中、参加者は普段とは異なる環境での調理に緊張した表情を浮かべていた。
料理は見た目、味、調理過程など6つの基準で審査。「幼児給食日本一」となる優勝・東京都知事賞には、認定こども園中央幼稚園(静岡県沼津市)の「たらのカラフルみかんソース」が選ばれた。
担当した栄養士、赤池あづみさん(46)は「地産地消をアピールしようと、地元・沼津産の西浦みかんを使った。優勝を目指していたので大変うれしい」と喜びを語った。赤池さんは小学校5年生だったころ、担任が家庭科の教諭だったという。
「『食べることは生きること』だと教わり、この道に進んだ。子供たちに給食室が身近になるようがんばりたい」と話した。
服部特別審査員は「どのチームもバランスを考えた味付けをよく考えていた。食を通じ地元のものを大切にする考えも伝えていってほしい」と話した。
他の結果は次のとおり。特別賞=ぽけっとランド入谷(東京都台東区)「かれいカレースパゲティー」▽優秀賞=みらいく東武練馬園(同練馬区)「たらのふわふわ揚げ」、下落合そらいろ保育園(同新宿区)「ふんわり鮭のそらいろソース焼き」、あい・あい保育園本三里塚園(千葉県成田市)「たらのりんごソース焼き」