高木美帆、オールラウンダーの挑戦結実

スピードスケート女子1000メートルで、1分13秒19の五輪新記録で金メダルを獲得し、笑顔の高木美帆=17日、北京(共同)
スピードスケート女子1000メートルで、1分13秒19の五輪新記録で金メダルを獲得し、笑顔の高木美帆=17日、北京(共同)

大会最後のレースで五輪新をマークしてからまもなく。最終組の2人もその記録を上回ることができず優勝が決まると、涙がこぼれ落ちた。17日、国家スピードスケート館。5種目に出場した高木美帆(日体大職)が最後の出場種目である女子1000メートルで、念願の個人種目初の金メダルに輝いた。「最後に自分の全てを出し切ることができた」と充実の表情を浮かべた。

短距離から長距離までこなすオールラウンダーとして、前回平昌五輪より1つ多い5種目に挑んだ。500メートルを含む5種目出場は、日本女子として1992年アルベールビル五輪の橋本聖子氏以来。橋本氏はその難しさを「極端にいうと(5種目なら)5倍練習しなくてはいけない。種目ごとに戦略も違う。コーナーの入り口も出口も違うし、歩数も違う」と説明する。

体力的な負担から、得意種目に絞った方がいいとの意見もあった。今大会なら13日間で7レースをこなすことになる。それでも本人はオールラウンダーにこだわった。「純粋に速くなりたいから。少しでも多くの種目にトライすることが、私にとって速くなるための一番の道だと感じるので」

北海道・帯広南商高1年時には既に約2カ月もの海外遠征に参加し、約60レースを滑っていた。疲労から十分な結果を残せないこともあった。それでも目先の成績にとらわれず、オールラウンダーとしてあるべき自身の将来を見据えていた。そして、「多くの種目にトライすること」が自身にとって最速の方法であることを輝くメダルで実証してみせた。

15歳で出場した2010年バンクーバー五輪から12年。「短い距離から長い距離まで出られるレースは出たい。それだけは自分の中であり続けた」と高木美。27歳になった〝スーパー中学生〟はその名を世界にとどろかせ、日本選手団主将として臨んだ五輪を最高の形で終えた。

(橋本謙太郎)

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