「かおちゃんなら、できる」 フィギュア坂本、親友の支え胸に

フィギュアスケート女子ショートプログラムの演技を終えた坂本花織=15日、首都体育館(桐原正道撮影)
フィギュアスケート女子ショートプログラムの演技を終えた坂本花織=15日、首都体育館(桐原正道撮影)

銀盤に笑顔の花を咲かせる。北京冬季五輪は17日夜、フィギュアスケート女子フリーが行われ、表彰台を狙う坂本花織(かおり)(21)が登場。五輪への重圧からか落ち込む時期もあった日本のエースを支えたのが、素顔を知る親友の言葉だった。「かおちゃんなら、できる」。15日のショートプログラム(SP)はメダル圏内の3位。努力は結実すると信じ、逆転の4分間に挑む。

笑顔を絶やさず、ムードメーカーとして知られる坂本だが、昨年はどこか沈みがちだった。5歳から同じスケートクラブで練習をともにする同志社大の籠谷歩未(かごたに・あゆみ)さん(21)が目撃したのは、振り付けの習得に苦闘する姿。五輪イヤーを控え、人知れず重圧を感じていたのかもしれない。籠谷さんはそのたび「大丈夫だって」と励まし続けた。

坂本はNHK連続テレビ小説「てるてる家族」でフィギュア選手だった主人公の姉に憧れ、4歳でスケートを始めた。籠谷さんとは「かおちゃん」「あゆ」と呼び合う仲で、「親友というより家族のような存在」(籠谷さん)だ。

ショートプログラムでの坂本花織の演技=15日、首都体育館(桐原正道撮影)
ショートプログラムでの坂本花織の演技=15日、首都体育館(桐原正道撮影)

2018年の平昌五輪6位を経て、坂本は日本女子のエースに成長。仲間としてライバルとして、常にそばにいた籠谷さんが知る坂本は向上心の塊だ。幼少期から、ライバルに追いつこうとスケートクラブの時間外も懸命に練習を重ねる様子を見たことがある。一方でリンクを離れると表情は一変。同じ競技者として、オンとオフの切り替えのうまさにも感心させられた。

北京五輪出場を懸けた昨年12月の全日本選手権。坂本は競技前、緊張した面持ちで籠谷さんに胸の内を明かした。「心臓が飛び出そう」。しかし、本番では会心の演技を見せて優勝。2大会連続で五輪切符をつかむと、とびきりの笑顔で「有言実行できて心がスカッとした」。迷いはもう消えていた。

15日のSPは持ち味であるスピード感のあるジャンプを次々に決め、完璧に近い演技を見せた。「この流れに乗って、楽しみながら彼女らしい演技を披露してほしい」と籠谷さん。かおちゃんなら、できる―。心強いエールを胸に刻んで。(桑村大)

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