「そして最後に、ウクライナ情勢について申し上げます。重大な懸念を持って情勢を注視していますが、状況は予断を許しません。11日にはウクライナの危機情報をレベル4に引き上げました。ウクライナ在留の邦人の皆さんには、一刻も早く退避するよう強く呼びかけております。近隣国においてチャーター機の手配を行うなど、引き続き邦人保護に全力を挙げてまいります」
「14日、NSC(国家安全保障会議)4大臣会合を開催して、邦人保護など政府の対応について議論を行うとともに、15日、16日には私自身、ウクライナのゼレンスキー大統領、EU(欧州連合)のフォンデアライエン欧州委員長、英国のジョンソン首相と電話会談を行いました」
「私から、ウクライナの主権と領土一体性への支持を表明し、力による現状変更は認められない旨述べるとともに、ウクライナに対し少なくとも1億ドル規模の支援を表明し、各首脳との間で緊張緩和に向けた外交努力を粘り強く続けていくことで一致いたしました」
「フォンデアライエン委員長からは、先般、わが国がLNG(液化天然ガス)の融通を行ったことに深い感謝の意が示され、日欧でエネルギー安全保障でも連携していくことで一致いたしました。わが国としては緊張緩和に向けた粘り強い外交努力を続けていく考えであり、G7をはじめとする国際社会と連携し実際の状況に応じて適切に対応してまいります」
--新型コロナウイルス対策は、感染症法上の2類から5類に引き下げる問題を含めどう考えるか。
「ご指摘の感染症法上の分類の議論ですが、そうした議論についても引き続き厚生労働省の審議会等において専門家の意見もうかがいながら議論は続けていきたいと思っています。ただ、仮に、新型コロナウイルス感染症、ウイルス感染症を5類にした場合、例えば健康状態の報告把握、あるいは外出自粛などの要請、入院措置。こうしたことができなくなるということがあります。今、まだ感染拡大の心配が世の中で感じられている中にあって、このタイミングで分類を変更するということについては現実ではないのではないかと思います」
「いずれにせよご指摘の議論につきましては、冒頭申し上げたように、引き続き厚労省の審議会等において政府としてもしっかりと専門家の意見も聞きながら、議論は続けていきたいと考えております」
--ワクチンの3回目の接種率は世界的にみても低水準だ。なぜか
「ご指摘の点については、まずわが国においては諸外国に比べてワクチンの1回目、2回目の接種の開始が遅かったという事情がありました。昨年振り返りましても秋の段階、10月、11月の段階でも、1回目、2回目の接種を行っていた。こうした事情がありました。そして2回目の接種から6カ月以上の間隔を空けなければならないという事情の中で、3回目の接種を進めているというのがわが国の状況であります」
「3回目の接種については、11月11日に薬事承認を得た後12月から開始をしたということであります。今申し上げた事情の中で手続きを進めていったということであります。先ほどご指摘がありましたように、3回目の接種については、(今年)2月に入って接種が本格化していった。ペースも1日100万回程度まで上がってきた。こういった状況であります」
「これから職域接種も本格化していきます。接種券の送付の前倒しも進めていただいているところでありますので、さらなる接種の加速化に向けてしっかり努力をしていきたいと思っています」
「なお、一つ加えるならばイギリスやイスラエルなど、3回目接種を先行した国であっても、感染者数、大変増えてしまっている。こういった国もあります。こういった国と比べた場合、わが国は感染者の数、これは格段少ないということは指摘をしておきたいと思います」