吉村知事「成長の土台」 大阪府予算案、3年ぶり税収増

大阪府が17日に発表した一般会計3兆7798億円の令和4年度当初予算案は、新型コロナウイルス対策と成長関連事業に財源を重点配分した。市町村交付金などを除く実質の府税収入は景気の持ち直しを背景に3年ぶりに増加に転じ、コロナ感染拡大前の水準に回復する見通しだが、景気の下振れリスクも懸念され、厳しい財政運営が続く。

吉村洋文知事は17日の記者会見で「感染対策と成長を両立させることが重要になる。コロナ禍を乗り越えて、成長の土台をつくる予算を編成した」と述べた。

実質税収は企業業績の改善を受け、前年度当初比22・9%増の1兆2213億円を見込む。借金にあたる府債発行額は同64・8%減の1460億円に抑えた。地方交付税の代替として国が返済を担う臨時財政対策債(臨財債)の減少が主な要因。臨財債などを除く実質の府債残高は2兆6795億円となる。

収支を均衡させるための財政調整基金の取り崩しは同15・1%減の794億円にとどめ、基金残高は1244億円となる見込み。

歳出では、新型コロナ対策費や支出が義務付けられている社会保障関係経費が増加し、一般施策経費は同13・2%増の2兆1954億円に上る。大阪市立高校などの府移管に伴い、人件費は同1・5%増の7014億円。

府は平成13~19年度にかけて公債費の償還にあてる「減債基金」から計5202億円を借り入れた後、積み立てを続けている。借り入れ解消までの「不足額」は令和4年度で344億円に縮減され、6年度の解消を見込む。

主な事業では、7年の大阪・関西万博を見据え、バリアフリー化を推進するため、車いすのまま乗降できるユニバーサルデザイン(UD)タクシーの普及促進費1億8千万円を計上。万博の開幕千日前に合わせたイベントなど機運醸成費に1300万円を充てた。

次世代交通サービス「MaaS(マース)」の促進に向けて、鉄道やバスの料金支払い時に顔の特徴で個人を識別する「生体認証システム」などを導入する事業者への補助費7千万円も盛り込んだ。

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