28年ぶりの表彰台 日本複合陣「団体メダルの喜びはひとしお」 悲願叶える

ノルディックスキーの複合男子団体で銅メダルを獲得し、日の丸を掲げて喜ぶ(左から)渡部善斗、永井秀昭、渡部暁斗、山本涼太=張家口(共同)
ノルディックスキーの複合男子団体で銅メダルを獲得し、日の丸を掲げて喜ぶ(左から)渡部善斗、永井秀昭、渡部暁斗、山本涼太=張家口(共同)

28年ぶりのメダルに、思いが募る-。ノルディックスキー複合男子団体で日本がようやくメダルを手にした。銅メダル。団体で金メダルに輝いた2009年世界選手権を現役で唯一経験している渡部暁は「個人で取るよりも何倍もうれしさがある」と笑みを浮かべ、「日本の複合チームの未来に対して、本当にいいメダル」と喜びをかみしめた。

長い間、日本の定位置は4位だった。ドイツ、ノルウェー、オーストリアが五輪は2大会連続、世界選手権は3大会連続で表彰台を独占して君臨。どうしても3強の壁を突き破ることができなかった。1992年アルベールビル五輪団体を制した日本複合陣としては、再び表彰台に立つことが悲願。この間、個人種目でメダルを獲得し、〝複合の火〟を灯し続けてきた第一人者、暁斗にとっても、団体の喜びを次代につなぐことを願ってきた。

38歳の永井秀昭が平昌五輪後に現役続行を決断したのも、「団体でのメダル」への渇望があったからこそだった。そして10年近く一緒に世界を転戦する善斗も思いは同じ。4走を務めた24歳の山本涼太は「正直、あの位置で争えると思っていなかったが、先輩方を表彰台に上げたい気持ちで走った」。それぞれの思いが重なり、チーム一丸、力を発揮して獲得した銅メダル。飛躍4位から距離で順位を上げてのメダルに今後への希望の火も灯る。ようやく日本複合陣がこれまで閉ざされてきた扉を開けた。

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