同友会も過剰介入警戒、経済安保法案で意見書

政府が今国会への提出を目指している経済安全保障推進法案をめぐり、経済界から企業活動への配慮を求める声が相次いでいる。経済同友会は16日、「行政法に経済安保の概念を初めて盛り込むのは画期的」と評価する一方、企業活動への過度の介入を行わないよう注文もつける意見書を発表した。経団連も9日に同様の意見書を発表しており、海外との競争で不利にならないよう求めている。

同友会の意見書は、新型コロナウイルス禍で露呈したサプライチェーン(供給網)の脆弱(ぜいじゃく)性や、先端技術をめぐる米中の覇権争いに言及した上で、「経済と安全保障を交えた国益保護の政策は喫緊の課題」と強調。法制化に加え、一括法とすることについても「将来の技術革新や環境変化にも速やかに対応しうる」と肯定した。

一方、経済安保の定義や規制の対象を明確にするよう要求。「裁量によって適用範囲が拡大する余地を排除しなくてはならない」と注文をつけたほか、自由な競争や技術革新が阻害されないよう訴えた。

法案は供給網の強化など4本の柱から成り、事業者への罰則規定も盛り込まれる方向。この日記者会見した同友会の小柴満信副代表幹事は「罰則というのは多少考慮すべきかと思うが、企業活動を萎縮させるべきではないというのが基本方針だ」と意見を述べた。

法案は経団連も支持しており、「経済と安全保障を切り離して考えることはもはや不可能」と指摘。ただ海外との競争で不利にならないよう、「企業が自らの責任で国内外問わず自由に事業活動を展開できる環境を維持・改善することが重要だ」とくぎを刺した。

また、経団連は法制化と並行して人権問題への対応強化に取り組む必要性も訴えている。

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