サクラやウメを枯死 外来カミキリが奈良で急増

クビアカツヤカミキリがフラスを輩出しながら食い荒らしたサクラ。こうした被害木は根本から伐採する必要がある(県提供)
クビアカツヤカミキリがフラスを輩出しながら食い荒らしたサクラ。こうした被害木は根本から伐採する必要がある(県提供)

サクラ、ウメ、モモなどバラ科の樹木の内部を食い荒し、枯死(こし)に至らせる特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の被害報告が奈良県内で急増している。吉野山のサクラの被害も懸念され、県はクビアカツヤカミキリ防除講習会を3月2日、県文化会館(奈良市登大路町)で開く。

クビアカツヤカミキリの本来の生息域は中国、モンゴル、極東ロシア、朝鮮半島などのアジア。体長は2・5~4センチで触覚が長く(オスは体長の約2倍、メスは体長と同程度)、光沢のある黒い体に首のように見える赤い胸が特徴。

バラ科の樹木を枯死させる特定外来生物のクビアカツヤカミキリ。県内でも被害が急増している(県提供)
バラ科の樹木を枯死させる特定外来生物のクビアカツヤカミキリ。県内でも被害が急増している(県提供)

国内では平成24年に愛知県で最初に確認され、県内では令和元年6月に広陵町で最初に成虫が見つかった。県内の成虫と被害木の報告は、令和元年は4件、2年は約20件、昨年は約60件と急増中だ。香芝、葛城、御所の3市周辺を中心に、6~9月に集中的に見つかっている。

樹木の幹や樹皮の割れ目に産卵し、孵化(ふか)した幼虫が寄生して糞と木くずが混ざった「フラス」を大量に排出しながら内部を食い荒らし、1~3年かけて成虫化してからはい出す。成虫は春から夏にかけて飛び回り卵を産み付ける。

繁殖力が強く、メス1匹が日本の在来カミキリ類の10倍ともされる約千個の卵を産む。天敵の生物が見当たらず、使える農薬も少ないため、被害が一気に拡大する恐れがある。被害木から虫だけを取り除くのは困難なため、根元から切ってその場で燻蒸(くんじょう)処理する必要があるという。

県景観・自然環境課の担当者は「県外では廃園を余儀なくされた農園もある。県内でも今年あたりに爆発的に増える恐れがあり、吉野のサクラや果樹園などの被害が懸念される」と危機感を強めている。

防除講習会では県内での被害状況などを報告し、大阪府立環境農林水産総合研究所の山本優一副主査が生態と防除対策を解説する。午後2~4時で入場無料。県の申し込み専用サイトかファクスでの申し込みが必要(21日必着)。問い合わせは同課(0742・27・8757)。

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