スノボ快進撃 「東京」のスケボー熱気再来を

連日熱戦が繰り広げられている北京冬季五輪では、日本のスノーボード勢の躍進が目立っている。ハーフパイプは平野歩夢(あゆむ)(23)の金メダルを筆頭に男女ともメダルを獲得。15日のビッグエアでも新世代の村瀬心椛(ここも)(17)が表彰台を射止めた。進行方向に対し体を横にして乗る「横乗り系」であるなど共通点の多い夏季競技のスケートボードは、東京五輪での日本勢の活躍を機に認知度が急上昇した。関係者は同様の熱気の再来を期待している。

活況のボード店

ウインタースポーツの専門店がひしめきあう東京・神田。スノーボードショップ「Liberty」では、11日昼ごろから、スタッフが電話応対に追われていた。この日の午前、男子ハーフパイプで平野歩夢が金メダルを獲得。平野と同メーカーのスノーボードの在庫の問い合わせが相次ぎ、週末までの3日間ほどで完売した。

スタッフの島津圭佑さん(41)は、「日本だけでなく、中国のバイヤーからも平野選手が使っていたボードの注文が来た」と影響の大きさを振り返る。来店客も、例年の同時期の2倍を超えたという。

廃業のスキー場も

新型コロナウイルス禍を背景に、最近はキャンプなど屋外レジャーの人気が高まっている。雪山で楽しむスノーボードも直近のシーズンの人出は回復の兆しを示しているという。

ただ、全盛期には遠く及ばない。公益財団法人「日本生産性本部」(東京都)が毎年3千~4千人を対象に実施したサンプル調査では、スノーボードの経験が「ある」と答えた人は、ソルトレークシティー五輪が開かれた2002年の約540万人をピークに減少。一昨年は3分の1以下の約160万人にとどまった。

近年の温暖化により、12月になっても営業が開始できないゲレンデも出てきている。佐賀県内唯一のスキー場で、スノーボードも楽しめた「天山スキー場」(佐賀市)は暖冬による雪不足や新型コロナの影響で稼働期間の短縮を余儀なくされ、今年1月、30年以上の営業を終えて廃業した。

新規開拓に意欲

業界が期待をかけるのは北京五輪の結果を受けた全体的な人気の底上げだ。

昨夏の東京五輪で初採用された同じ横乗り系のスケートボードは、堀米雄斗(23)や西矢椛(もみじ)(14)が金メダルを獲得するなど日本勢が活躍。ダイナミックなトリック(技)に加え、選手らのファッションや振る舞いにも注目が集まり、すでに一定の支持を集めていた若者層だけでなく幅広い年代層がスケートボードを手にするようになった。種目採用を受け、各地でスケートボードパークが新設されるなど環境整備も進んだ。

「約20年前のスノーボード人気を牽引(けんいん)したバブル世代は、平野選手たちぐらいの子供を抱える親世代になった。子供にやらせてみたいと思ってもらえれば」と期待するのは長野県白馬村でスキー場を運営する岩岳リゾートの和田寛社長(45)だ。同社では昨年からジャンプ台などパーク施設の強化も進めているといい、和田社長は「北京五輪を機に、新規層の開拓や、久々に再開する休眠層の掘り起こしだけでなく、ジャンプの練習を望む中級者も獲得していきたい」と意気込んだ。(永井大輔)

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