中国による領海侵入などが相次ぐ尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐり、新たな懸念が浮上した。尖閣周辺で活動する中国の海警局に対し、中国海軍が強力な武装のフリゲート艦を移管したことが判明したためだ。1年前に施行された海警法により、海警局は法執行のための武器使用が可能となった。対峙(たいじ)する日本の海上保安庁との勢力差が広がる中で、強硬な活動をさらに推し進める恐れがある。
「尖閣情勢は、より緊張の度合いを強めるかもしれない」。政府関係者は今後の情勢をこう憂慮する。中国海警局の武装強化が判明したのは昨年末。欧州の海外メディアが中国海軍の軍艦移管を報じたのがきっかけだ。
政府関係者らによると、移管されたフリゲート艦は主砲の76ミリ砲をはじめ、30ミリ機銃などの武装はそのままに、メッセージを表示する電光掲示板などを新たに装着した以外、同じ能力を持っているとみられる。